身長差12cmの振袖お直し

ママ振りのサイズ直し

母の振袖を娘の寸法に仕立て直す!コツや事例を写真つきで紹介

お母さまの大事にしてきた振袖を、娘さんが受け継いでくれたらうれしいですよね。
しかし中には、「身長差があるからうまくフィットしないのでは?」と心配する方もいるでしょう。

だるまやは振袖のお直しを年間30~40着ほどお受けしています。
お母様の振袖を娘さんの寸法にお直しするときのコツや事例を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

母より娘のほうが12cmも背が高い!実際に着るとこうなる

最初に、お母さまよりも娘さんのほうが背の高い事例について紹介します。
母158cm・娘170cmで、12cm差ですね。

実際に、娘さんにお母さまの振袖を着てもらいました。


手の裄が短いので手のくるぶしが見えています。また、身丈も短いため、帯を締めるとおはしょりがほとんど出なくなってしまいます。

寸法で見ると、身丈も12cmくらい違うし、裄も5cmくらい違います。
“ぴったりサイズ”とは程遠いことが、写真と数字からわかりますね。なので、お直しの出番です!

だるまやの仕立て直しでぴったりサイズに

上記の振袖をお直ししました。
実際の仕上がり写真がこちらです!


くるぶしが隠れるほど裄が長くなりましたね。360°どこから見ても隙のない、ぴったりのサイズです。
自分サイズになって娘さんはとても喜んでいました。それをお母さまも感慨深そうに見守っていて、2人の姿にこちらもうれしくなりました。

では、サイズの小さい振袖をどのように大きくしたのでしょうか? 次の見出しでコツを解説します。

仕立て直しのコツ

娘さんが最初に着たときは裄も身丈も短かったのに、なぜこのようにぴったりサイズにできたと思いますか?

ここからは、振袖のお直しのコツを解説していきますね。

裄について


まず裄のお直しのコツから。
裄が伸ばせるかどうかは、もともとの生地がポイントです。
幅広の生地を買っていたら仕立て直ししやすいですが、幅が狭い生地だと仕立て直しが難しいケースがあります。
つまり、「その生地がどのくらいの幅で織られていたか」によって伸びる・伸びないが変わってくるのです。もともと着ていた方の身長は関係ないので、大胆なお直しをご希望の方も諦めずにご相談ください。

ちなみに、昔の生地は幅が狭い傾向があります。たとえば2世代前から受け継いだ着物だと、裄が短くなりすぎるかもしれません。

身丈について


続いて身丈のお直しのコツです。

振袖・留袖・訪問着などは身丈を伸ばせる可能性が高いです。
なぜならこれらは、肩の柄と裾の柄の位置がもともと決まっているから。このタイプだと余った分を腰回りに縫い込むため、仕立て直しの際に身丈を伸ばしやすいのです。

だるまやでは年間30~40着ほど振袖のお直しをお受けしていますが、思ったよりも縫い込んでいるケースが多いので、身丈や裄を伸ばせる場合も多いです。
実際、事例の写真を見てわかる通り、お母さまより12cmも背が高い娘さんでもぴったりの身丈に直せました。
娘さんの背がお母さまよりかなり高くても、あるいは低くても、一度私たちに相談してみてください。

反対に、小紋・無地・紬は身丈が伸びない場合がほとんど。
小柄の方が着る場合、その人に合わせて最初から切ってしまうことが多いため、なかなか伸ばしにくいのです。

母と娘の体型が大きく違う場合

お母さまと娘さんの体型がかなり違う場合は、サイズ直しが必要になるかもしれません。
バスト・ウエスト・ヒップのサイズは、振袖の裄・肩幅・身幅などに直接影響するからです。見た目の問題はもちろん、無理に着ると着崩れすることが多いのでご注意ください。

一方、わずかな体型差ならそのまま着られることもあります。
「振袖をこのまま娘に渡したらきれいに着られるのか?」など、サイズで気になることがあれば、一度プロに相談するのが良いでしょう。

振袖の仕立て直しならだるまやへ

私たちは振袖の仕立て直しについて多くの実績があります。
「娘さんのほうが背が高い」「娘さんのほうが背が低い」など、どのような場合にも対応できるよう尽力しています。身長だけではなく、体型の違う方も遠慮なくご相談ください。

振袖のお直しに消極的なお店は珍しくありません。他店で「無理」と言われたために諦める方もいますが、諦める前にだるまやへお問い合わせください。
豊富な実績と知識で、他店ではできないような仕立て直しを実現いたします。

なお、振袖のお直しには時間がかかります。お急ぎの方は納期のご希望に沿えない場合がございますので、なるべく早めにご相談いただければと思います。

まとめ

世代を超えて受け継がれる振袖。
お母さまの振袖を娘さんの寸法へ仕立て直して、娘さんの晴れの日を飾ってみませんか。

だるまやなら、身長差のあるお直しでもきれいに仕上げられます。
他店で断られた方も対応できる場合があるので、ぜひ私たちにご相談ください。

最後に 〜きものってすごい!〜

昔ながらの手作業で洗い張りをする職人が少なくなってしまい、気づけばいろいろな方から見学のご希望や取材などを受けるようになりました。
洗い張りの作業をご覧いただいた方に「すごい!」と言われることがありますが、だるまやの洗い張りが特別なことをしているわけではありません。
僕は常に思っているのですが、本当にすごいのは一反の反物からこれほど機能的で美しい服を考えた先人たちの知恵です。
寸法を変えて仕立て直せるように使わない部分も捨てずに縫い込んでおくこと、見えない部分があることで汚れなどのやりくりがしやすいこと、など、今から考えても同じものは決して創れないと思います。
こんな素晴らしいきものがこれからも多くの方に愛されるように、日々の仕事に真摯に取り組んで行こうと思っております。

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